ピストンシリンダー型超高圧発生装置

(Piston cylinder type high-pressure appratus)

・使用目的
地球の深さ100km、地殻下部から上部マントル最上部に相当する温度圧力状態を再現できる。地球マントル上部や地殻での物質移動や元素分配など、特に火山岩の成因の研究に利用されている。

・原理
高圧発生の原理は非常に簡単である。圧力は(かかっている力/力を受けている面積)で表される。地球内部で高い圧力が実現しているのはその部分より上に乗っている物の重さを感じているからである。したがって実験室で地球内部に相当する高圧を実現するためには、大きな加重を小さな面積にかけてやればよい。地表の1気圧は、およそ1kg重の力が1平方センチメートルにかかっていることに相当する。地下300kmの圧力はほぼ10万気圧なので、10万kg重(= 100 ton重)の力を1平方センチメートルに集中させることができれば、実験室で地下300kmの圧力を再現できることになる。逆に50kg重の荷重でもそれを0.1 x 0.05ミリの領域に集中できれば地下300kmの圧力が実現する。あなたが針の上に乗って、その針が折れなければ!あなたの足下では上部マントルの圧力が発生していることになる。現実にはどうか。たぶん普通の針では折れてしまうだろう。大きな力を小さな面積に集中させるためには、力を伝達するものが変形しないような工夫が必要となる。それが〜型高圧装置という様々な形式の高圧装置を生み出している。